走れセリヌンティウス

<散歩道>

零崎01「た、助けろ!助けろセリヌンティウス!」
ぼく01「そんな事言うメロス聞いた事ねーよ。で、又絵本さんか?」
零崎02「そうだ!こえー、あいつメスとこんにゃく持ってこっち近づいてくるんだぜ!?信じられる!?」
ぼく02「それは怖いな…ナイフ構えてこんにゃく持って近づいてくる殺人鬼並に怖いな…しかも何故にこんにゃく」
零崎03「知るかぁ!もういい俺もう無理!止めて、アイツ止めて!根本的に俺こんにゃく嫌いだし触れないしあの女にもそもそも触れないし!」
ぼく03「はいはい…何か怯える子犬みたいなのに全然保護欲出て来ないな…男だからか」
絵本01「あ、見ぃつけた…」
零崎04「ひぎええええええええ!!!!」
ぼく04「絵本さん、そろそろ簡便して下さい。零崎が失神起こします」
絵本02「そしたらあたしが診てあげるから大丈夫だよ」
ぼく05「いや、絵本さんが大丈夫でも零崎駄目です。かなり駄目です。そんなことされたらトラウマ決定です」
絵本03「そっか…いっくんが言うならそろそろ止める…。又後でにする」
零崎05「ぎゃあああ止めてくれ!」
ぼく06「絵本さん…」
哀川01「あ、いーたん見っけ」
ぼく07「あれ、哀川さん?何か用で…(メリッ。ゴリゴリゴリ)いだいいだい痛い痛い痛」
哀川02「お前にアタシは一体何度苗字でよーぶーなーって言ったんだー?んー?」
ぼく08「すいま゛ぜんいだいいだだだだ零崎!た、助けろ!死ぬ!」
零崎06「いや、どー見ても無理だろ」
ぼく09「白状者!もう手前なんか絵本さんから助けてやらんいだい痛いそろそろ頭蓋骨が割れます潤さん簡便して下さい」
哀川03「ふん。許してやろう」
ぼく10「未だ痛い…思いっきりやらないで下さいよもう…」
絵本04「い、いっくん大丈夫?湿布、いる…?」
ぼく11「いえ、もう慣れっこなんでいいです…。所で哀川さん、何かぼくに用があって来たんじゃ無いんですか?」
哀川04「あ、そうそう。いーたんに怒って忘れるトコだった。親父蹴り起こして買い物に行かせてくんない?シチュー作るのに人参が足んねーから」
ぼく12「自分で頼めば良いじゃないですか」
哀川05「アイツ蹴ったら足が腐るだろう」
ぼく13「…分かりました。あの人もいい加減寝てばっかじゃ駄目ですしね…」
哀川06「おう。宜しく頼むよ」
零崎07「あ、俺も行く」
絵本05「駄目。君は私と一緒にお洗濯取り込むんだよ…」
零崎08「ぎゃぁぁぁ行かせてくれ!おい欠陥製品!置いてくなあああ!!」
ぼく14「ふっ。お前なんぞもう知らん」
零崎09「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


</BGM>

(トントン)
ぼく15「狐さん。居ますよね。入りますよ」
(ぎい)
狐01「おう。俺の敵。何だ。何の用だ?」
ぼく16「ごろごろしながら本読んで無いで買い物行ってきてくれませんか。人参が無いそうです」
狐02「お前が行け」
ぼく17「ぼくはこれから廊下の雑巾がけとトイレ掃除です。変わってもいいですが?」
狐03「…ちっ。分かった。行けばいいんだろう?面倒くせえなあ…。おい、木の実は何処に居る?」
ぼく18「台所で潤さんの手伝いしてると思いますけど」
狐04「そうか。おいてったらおいてったで五月蝿いからなアイツ…」
ぼく19「はあ…」
狐05「んじゃ、金寄越せ俺の敵」
ぼく20「応接間にあるんで自分でとってきて下さい。何でぼくが自腹切んなきゃいけないんですか!」
狐06「面倒臭えなあ…」
(バタン)
ぼく21 愚痴を垂れながら狐さんは部屋から出ていった。
「あの人、間違えて大根買ってこないだろうな…。木の実さんが居るから大丈夫か」
そう思い直すと、ぼくは雑巾を取りに洗面所へ向かう。トイレ掃除と廊下掃除は中々根気が要るので、気合入れなきゃなあ、と未だ痛む頭で考えていた。


<アレ>

ぼく22「あー…一時間かかった…。そろそろ飯、出来てる頃かなー」
と、思い、何となく台所を覗いて見ると。
「あれ…零崎何してるんだ?」
零崎10「…死色に捕まった」
哀川07「いやあな、零崎君やっぱ包丁使うの上手そうだから、木の実も行っちゃったし手伝ってやらせたんだなー」
ぼく23「はあ…」
哀川08「まあ、零崎君は絵本から逃げ出せたんだから、いいだろ?」
零崎11「いーけどよー…」
(トントントントントン)
ぼく24「…なあ人間失格」
零崎12「あんだよ」
ぼく25「お前がエプロン付けて大人しく包丁で野菜切ってる姿って目茶目茶違和感あるんだけど」
零崎13「るっせー。黙れ欠陥製品」
哀川09「いーたんもどうせだから手伝ってけ。掃除終わったんだろ?後、盛りつけだけだから」
ぼく26「分かりました。お皿、これでいいんですね?」
哀川10「応」


ぼく27 そんな訳で、夕飯はシチューとサラダとフランスパンとご飯だった。
「パンだけでいいじゃないですか、主食」
零崎14「いや、俺、シチューはご飯にかける派だし」
絵本06「あ、あたしも」
ぼく28「ええ!?カレーじゃねーんだぞ…!?そんな食い方する奴初めて見た!シチューだぞ!?シチューなんですよ!?」
零崎15「あ、お前この食い方侮辱したな!謝れ!全国の五万人のシチューご飯ぶっかけ派の人間に謝れ!」
絵本07「そ、そうだよ。この食べ方しちゃいけないって言うの?ひ、酷い。あ、あたしにご飯食べるなって言うのね…うっうう・・・」
ぼく29「五万も居ないだろ絶対!…い、いや。別に食べるなって言ってる訳じゃないです。すいません」
哀川11「お前らうるせえ」
狐07「飯は黙って食え」
哀川12「親父は喋るな。静かに食うのが好きなら別の部屋で食え」
狐08「ふん。いいだろうが。俺は大人数で静かに食べるのが好きなんだ」
ぼく30「何ですかその妙な好み!」
狐09「ていうか俺もシチューはご飯にかける派だ」
ぼく31「まじですか!?」
狐10「まじだ」
哀川13「げー。アタシパン派だけどなー。なあいーたん。パンと一緒に食うもんだよな、シチューは」
ぼく32「勿論です」
零崎16「ギャーそんな食い方すんなよ!シチューを最高に上手く食う為には米と一緒に食うんだ!」
哀川14「うるせー!パンが普通だろ!?」
零崎17「キー!じゃあ多数決でどうだ!?」
哀川15「望むところだ!」
ぼく33「つーかパッと見でご飯で食ってる人間が零崎・絵本さん・狐さんなんだから残りのぼく・るれろさん・木の実さん・潤さんでパンの勝利だろ」
零崎18「うがああああ!ちきしょー!もうお前等のシチューんなかに飯入れてやる!」
ぼく34「や、やめろ!ふざけんな!!シチューが食えなくなる!!」
絵本08「あのう…るれろさんがうるさいって言ってるよ…。るれろさんと木の実ちゃんも食事は静かに食べる派なんだって…」
ぼく35「あ、だからさっきから静かなんですね…すいません。ちょっと黙ります」
狐11「貴様、るれろと木の実の言う事は聞いて俺の言葉には耳をかたむけないのか」
ぼく36「アンタに言われても説得力無いんです。場がややこしくなるから狐さんは潤さんの言う通り黙ってて下さい」
狐12「腹立つな…。流石俺の敵…」
ぼく37「何かその言い方はむかつくので止めて下さい」
哀川16「食事は大勢でわいわい食べるべきだろ!」
ぼく38「まあぼくは寧ろ一人で静かに食べたいですけどね…でも人が増えたら五月蝿くなるのは当たり前じゃないですか?」
ぼく39「あれ、何時の間にか論点移ってるよ…。ていうか怪我人が黙れって言ったんじゃ…」
哀川17「あーもー表へ出ろ!アタシが纏めて全員そのひん曲がった根性、叩き直してやる!!」
零崎20「え…そ、それは…お、応よ!」
ぼく40「あ、零崎死んだな。 何でお前が受けて立つんだ。ま、ぼく逃げるから」
零崎21「ええ!?おい欠陥製品!」
ぼく41「ばいばい、セリヌンティウス」
零崎22「走るなメロスー!!」